ダイジェスト版

まえがき

作者より、16年目の老婆心

TVの前で、大震災の映像をただみているのに耐えかねているあなたへ。
今すぐにでも現地に行って、何かしたい!
と焦っておられることでしょう。

でも、ちょっとだけ待ってください。

体力に自信はありますか?
テントや寝袋、食料と水、用を足す穴を掘るためのスコップは
持参して行けますか?
現地の地理は把握していますか?
避難生活をしている人たちの手を止めさせなくとも、
何を手伝えばいいのかわかりますか?

そうでなくて、写メを取っただけで、
「がんばって」と言い捨てて帰って来たり、
仮設トイレの行列を延ばしたり、
けがや病気で貴重なくすりを使わせてしまったり、
迷子になって警察を出動させたりするようなことは
絶対にない、と言い切れるなら、
徒歩か自転車で今すぐにでも出発してください。

被災地はいま、混乱のただ中にあります。
原発事故は少しも収まっていません。
被害の全体像もいまだにつかめないでいます。
救援物資も思うように届けられません。
まだまだ何が起こるかわからないのです。

今ははやる気持ちを抑えてください。
その気持ちをずっと長く持ち続けてください。

1995年3月、阪神間の街にあふれていた救援の人々は、
4月の地下鉄サリン事件を境に、激減しました。
阪神淡路の傷は、16年たっても、まだ癒えていません。
あの日からずっと、今日に至るまで
活動を続けている人たちを、私は知っています。

今度の震災の復興には、もっとずっと長い年月がかかります。
冷静に、気長に、地道に、関わっていくことをお願いします。

どうか行く時は、
受け入れ先の団体にあらかじめアポを取って、
何をするのか、ちゃんと確かめて、
必要な準備をして(体調と装備と、
そして現地で消費するためのお金も)、

そして、身体と心とに気をつけて、
行ってきてください。

2011年3月21日たけしま さよ

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